今回のテーマは、マーチンD18の音でデザインは古楽器のイメージで製作する。
いつもは完成の状態を想像する事ができるが、今回はイメージしやすくする為デザイン画を作成し徐々に各パーツを決める。
全体像をイメージできるように現物のローズバインディングと二重のパフリングを用意しました。
サウンドホールのロゼットになります。
ボディ周りの装飾がインパクトがあるので、ロゼットのデザインも同じパフリングを巻いて豪華に仕上げたいと思います。
三角や丸やダイヤの古楽器調のデザインをロゼットの枠の中に入れ、現在デザイン画で白いロゼットの部分を黒色の黒檀を埋めて、貝でなく古い時代に多く使われた白い牛骨を埋め込むとますます古楽器らしくなります。
ブリッジ部は3通り、古い時代人気のデザインを2通り加えてみました。
それぞれ黒色に塗り潰した箇所に貝や牛骨が入ったらと想像しています。
ベリーブリッジに決定
ブリッジ両サイドに飾りを入れる。
白い貝ではなくデザインされた物を入れる。
ヘッド・指板・ブリッジ・ピックガードすべてブラジリアンローズウッド(ハカランダ)
ヘッド・指板・ブリッジはブラジリアンローズウッド・ピックガードはコア
埋め込み型のピックガードは2種類、ハカランダかコアかどちらかを選択
2021/3/1
実際の胴材に3通りの飾りを試してみました。
長期間保存していたこのシトカスプルースは横裏材ともマッチングが良かった。
長期保存のためヤニがでていますが、製作時削るのでヤニ跡はなくなります。
目の詰まった良い材です。
裏板材のマホガニーです。
この材は目の通りが良く軽やかであたたかさのある音がしました。
表材との相性はバッチリ良い感じです。
マホガニーネック材に指板・ブリッジ・ピックガード材を並べました。
ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)指板にブリッジは当初用意していたものから指板の木目に良く合うブラジリアンローズウッド材のブリッジ材に変更。
埋め込みピックガードはコア材を使用します。
ほぼ材料が決まったので、各材の加工調整を行っていきます。
梅雨時期までには、材の加工調整を行い梅雨時期後から製作に進みます。
数か月後また報告致します。
2021年4月
Leadman 今西
バインディング等に使用する寄木材と仮曲げの胴
バインディング等に使用する寄木材と仮曲げの胴
梅雨も明け、安定した湿度になったので表裏甲の接着を行う。
数十年前の材なので板目の細かい最近では見かけない貴重な材です。
今までにないデザインをするので、非常に楽しみです。
2021年7月吉日
Leadman 今西
中央の黒色のロゼットは黒檀の薄い材からくり抜いて使用します。
ニスを塗った後は天然の黒色エボニーですので綺麗です。
まず第一段階の加工。次に白色の天然の牛骨が入りました。
この後にデザインの丸の牛骨の部分が入ります。
ライニング、エンドブロックの接着。
それぞれのバックの中央に補強材をGOバーで接着。
木製カーリーコアのピックガードの接着前です。
入れ忘れのため通常の埋め込み手順と異なりますが、ピックガードと同等の溝を完璧に掘り、この後埋め込み接着になります。
2021年10月22日
梅雨明けから作業を行い表甲・裏甲・胴が出来上がりひさしく工房へ行く。
タイトでぬけが良く立上りもいい感じで下から上まで軽やかに鳴る感じです。胴・裏とのマッチングで甘みのある軽やかな響きで楽しさを感じます。
小林 大作氏のサイン
シトカスプルースにブレーシング・ブリッジプレートを仕込み音を出しながら削りを入れ完成。手触りも滑らかな感じで美しい。
K.Countryの音を決めるブレーシングの削りと表甲のアーチ(無駄のない作りです)
古楽器風のオリジナルロゼッタ。全体をイメージして少しづつ進めていく
ロゼッタのデザインは全体とのバランスもよく、落ち着いた感じがあります。
裏甲ブレーシング完成
裏甲杢目の良い穏やかな感じの材です。音鳴りは最高です。
裏甲もアーチをさせて鳴りの良いサステーンが長くなるようなアールにしています。
ボディーとネックです
ボディー・ネック・表甲・裏甲 なんとなく形が見えてきました。
あと数か月で完成します。次回をお楽しみに!
2021年10月 今西
ダブテイルジョイント加工を終え、ネックとボディの接着前
指板周りの二重のパーフリングが綺麗に入り、この後ブラジリアンローズウッドの指板の接着です。
ネックヒール部の彫刻の下書き
唐草模様の彫刻が入りました。
良質のブラジリアンローズウッドのブリッジの両側にアバロン貝の溝を彫りこれから接着します。
完成の姿に近づきました。
これからナット・サドルなど細かい部分の製作を行い最適な調整を行い最も良い状態にします。
完成まで今しばらくお待ちください。
マホガニーボディーにスプルーストップ
ロゼッタには象牙・牛骨・木材を使ったオリジナルデザイン
ネックにはオリジナルデザインの手作業による彫り物を施す
ボディー全体を寄木2種類とローズウッドで飾り付け、古き昔を感じピックガードはコア材をトップ材に埋め込み全体をラッカー塗装で仕上げました。
指板にはブラジリアンローズウッド、ブリッジもブラジリアンローズウッドを使用し、両端にはポジションマークと同じアバロン貝を使用して落ち着いた統一感のある仕上げにしました。
2022年1月
完成
完成写真
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